皆さんこんにちは!
有限会社諏訪地質工業、更新担当の中西です!
~“設計に効く”~
建物や土木構造物は、上に何を載せるかより下がどうなっているかで寿命が決まります。私たちは机上調査→現地踏査→試験計画→ボーリング/物探→解析→レポートまでをワンストップで実施。過不足のない調査と伝わる報告書で、設計と工事のリスクを最小化します。️
目次
1|最初の30%で勝負が決まる:机上調査と踏査
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地形・地歴:旧河道・盛土/切土・液状化履歴・地質図を重ねて“怪しい場所”を先読み
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既存資料:近隣ボーリング柱状図、公共台帳、航空写真、災害アーカイブ
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踏査:亀裂・湧水・沈下跡・舗装のひび、**表層の“語り”**を拾う
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初期仮説:想定層序・地下水位・リスク(軟弱/埋設物/膨潤)を白地図にメモ
2|試験計画の組み立て方(ムダなく・漏れなく)
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建築(戸建〜中低層):
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スウェーデン式サウンディング(SWS) or 簡易貫入 → 必要部位のみボーリング
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代表位置で標準貫入試験(SPT)、乱さない試料(シンウォール/Shelby)
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中大規模・土木:
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ボーリング+PS検層/MASWで**Vs(せん断波速度)**を取得
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地下水観測孔を残し季節変動を追う
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物理探査:地中レーダ・電気探査・磁気で埋設物/空洞をスクリーニング
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サンプリング:コア回収率(RQD)・乱れ区分・保護方法を現場で記録
原則:**「軽い→重い」**の順に。簡易→確認→精査でコスト最適化。
3|代表的な現場試験と読み方 ⛏️
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SPT(N値):相対密度/一軸強度の目安。支持層の判定と杭先端深さに直結
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CPT/CPTu:貫入抵抗・間隙水圧→層境界の連続把握に強い
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平板載荷:表層改良の実効確認、直接基礎の変形係数推定
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透水試験(Lugeon/現場透水):地下水処理・止水工の前提
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PS検層/MASW:Vs30で耐震区分、地震時応答解析へ
4|室内試験で“数値の根拠”をつくる
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粒度・Atterberg限界:土の“性格付け”
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圧密:沈下量/速度の予測(Cv, Cc)
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三軸(CU/CD/UU):設計せん断強度(c, φ)
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間隙比・含水比・密度:改良前後の比較指標
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有機物・硫酸塩:化学的リスクの早期検知⚗️
5|報告書の“見る順番”と要点✨
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概要図(位置・ボーリング配置・地形)
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柱状図(層序・N値・地下水位・RQD)
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試験成績(室内/現場)
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設計値(許容地耐力/変形係数/せん断強度/液状化判定)
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提案(基礎形式・改良工法・監視項目)
N値“だけ”で判断しない。層の連続性・地下水・試験の質をセットで確認。
6|基礎と改良のファーストビュー ⚙️
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直接基礎:浅層良好地盤・不同沈下に注意
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表層改良/柱状改良/砕石パイル/小口径鋼管杭:沈下・液状化・施工制約で使い分け
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仮設:山留・止水・湧水対策を工程・コストに反映
7|見積比較のチェックリスト ✅
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調査本数/深度と試験項目(室内/現場)
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物探の有無(埋設物・空洞・旧基礎確認)
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コア回収率・サンプル固定方法
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地下水観測(観測回数・季節補正)
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報告書の体裁(DXF柱状図/解析データ/写真台帳)
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近隣配慮(騒音・泥水処理・夜間)
8|よくあるNGと回避策 →✅
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孔壁崩壊→泥水比重/ケーシング不足→安定液管理+段階ケーシング
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試料の乱れ→採取器・回収手順の不適→乱さない試料の指定
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地下水見落とし→一回観測のみ→複数時点+降雨後観測
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報告が不親切→数値だけ→**設計への翻訳(基礎案・沈下算定)**を必ず併記
9|スケジュール例(戸建〜小規模)⏱️
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D0〜3:机上調査・踏査・計画
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D4〜6:現場試験(SWS+要所ボーリング)
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D7〜14:室内試験・解析
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D15:報告・設計打合せ(基礎/改良の初期案)
10|お問い合わせテンプレ(あると早い)
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計画図(柱/壁配置・荷重目安)/敷地図
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近隣の既往調査(あれば)/工期・騒音制約
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既往トラブル(沈下・湧水・地震時被害 など)
まとめ
過不足ない計画×確かな採取×設計への“翻訳”。これが設計に効く地盤調査です。最初の一本から、成果の“質”を変えます。