月別アーカイブ: 2025年9月

諏訪地質工業のよもやま話~“やりがい”~

皆さんこんにちは!

有限会社諏訪地質工業、更新担当の中西です!

 

~“やりがい”~

 

1|いま強い“ニーズ”はここにある 🎯

  1. 防災・減災の高度化
    豪雨・地震・液状化・斜面崩壊リスクの精緻化。想定外を“説明可能”にする評価・ゾーニングが求められる。

  2. インフラ更新・長寿命化
    橋梁・道路・上下水・ダム・港湾の維持更新で、地盤特性の再評価地中空洞・洗掘の点検ニーズが継続。

  3. 都市再開発・再エネ
    高層化・地下化、風力・太陽光・地中熱など新用途に合う基礎形式の選定データが必要。

  4. 宅地・開発のリスクマネジメント
    住宅地盤保証・宅地造成・盛土の健全性確認。地盤改良の要否と最適量を示す根拠が求められる。

  5. データの可視化・合意形成
    住民説明・発注者報告で、専門用語を“伝わる図と数値”に変換するニーズが急増。

  6. 環境・サステナビリティ
    汚染土壌調査、地下水影響評価、**LCC(ライフサイクルコスト)**の観点での提案。


2|顧客タイプ別「刺さる提案」 💡

  • 公共発注者
    リスクの残余不確実性まで言及した調査計画(地点数・深度・探査併用)+費用対効果。

  • デベロッパー/設計事務所
    基礎形式別のコストレンジ試算、改良量の最適化、工程短縮の代替案。

  • ハウスメーカー/工務店
    戸建て向けSWS+表面波のセット化、地盤保証の根拠整備、近隣説明資料のテンプレ提供。

  • 再エネ事業者
    風車基礎・太陽光架台の支持性能×地盤リスクマップ、建設・維持両面のLCC提示。


3|“選ばれる会社”の5つの型📐

  1. 多手法ハイブリッド:ボーリング+原位置試験(標準貫入・PS検層)+物理探査(表面波・電気・地中レーダ)を地形・地史で最適配合。

  2. 設計直結アウトプット:地耐力・液状化・側方流動・すべり安全率を“設計の意思決定”に使える形で即納。

  3. 合意形成パッケージ:カラー断面図・3D地盤モデル・Q&A資料・住民説明スライドをセットで。

  4. 工程・安全・近隣配慮の見える化:騒音・振動・粉じんの基準、交通誘導図、苦情対応フローを事前提示。

  5. データ管理・再利用:座標付きでDB化し、将来の増改築・更新に再活用できる“資産データ”として納品。


4|現場が感じる“やりがい”ベスト8 🏅

  1. 見えない地盤を“見える化”できた瞬間
    断面図が整い、地層の理由がつながるときの知的快感。

  2. 設計や工事がスムーズに進む“起点”を作れる
    良い調査は、良い基礎計画と工期短縮に直結。プロジェクト全体の成功に寄与できる。

  3. 災害リスクを前もって減らせる
    解析結果が対策工に反映され、地域の安全に貢献できる誇り。

  4. 現地にしかない“地形・地質の物語”に出会える
    丘陵、段丘、沖積、火山…地域ごとの地質史を手触りで学べる。

  5. チーム連携の醍醐味
    調査班・解析班・設計者・発注者が一枚岩になって成果を作る達成感。

  6. 若手の成長が目に見える
    試料観察→柱状図作成→解釈→提案へと階段を上る手応え。

  7. 住民からの“安心しました”という声
    わかりやすい説明で不安を解消できたときのやりがい。

  8. 技術が武器になるキャリア
    資格・解析スキルがダイレクトに評価され、専門家としての自信が育つ。


5|サービスメニューの“型”例📎

  • 基本調査:踏査/既往資料整理 → SWS or ボーリング → 土質試験(粒度・含水比・一軸)

  • 付加価値調査:表面波・電気探査・PS検層・孔内水平載荷・透水試験・地中レーダ

  • 評価・解析:支持力・沈下・液状化・斜面安定・基礎比較(直接/杭/改良)

  • 成果品:柱状図、地質平面・縦断図、3Dモデル、判定表、施工上の留意点、住民説明資料

  • オプション:ドローン・レーザー測量、地盤保証書連動、既存図面のDX化


6|品質と安全を支えるチェックポイント ✅

  • 計画:地形分類・既往災害・ボーリング位置の“根拠”明記

  • 試験:N値のばらつき管理、試料の乱れ・採取深度のトレーサビリティ

  • 安全:重機周囲の立入管理、転倒・挟まれ・感電・地下埋設物のリスク低減

  • 近隣配慮:騒音・振動の時間帯、粉じん・泥水処理、道路清掃

  • データ:座標系・標高系の統一、メタデータ付与、誤差の注記

  • 説明:評価の前提条件・不確実性・残余リスクの明文化


7|KPIとマネジメント📊

  • 受注面:提案採択率/リピート率/平均粗利率/見積提出→受注までのリードタイム

  • 現場面:工程遵守率/事故・ヒヤリハット件数/苦情ゼロ率

  • 技術面:再解析工数削減/解析リードタイム/成果品差戻し率

  • 顧客満足:報告会の評価/紹介件数/レビュー★

  • 教育:若手の柱状図作成合格率/年次スキルマップ更新率


8|“価格競争”を避ける差別化ポイント 🧭

  • 意思決定に直結する成果品:設計案のA/B比較、改良量の最小化試算、工程短縮の代替案を必ず添付。

  • 3D×GISの可視化:断面図だけでなく3Dモデル地盤リスクマップを提示。

  • 合意形成の伴走:住民説明テンプレ・想定質問集・図解パンフの提供。

  • DB資産化:次案件で使えるフォーマット・座標付データで長期価値を訴求。

  • アフターフォロー:施工中の地盤条件変更への即時再評価(スピード対応を約束)。


9|人材採用・育成で伝えたいメッセージ 🎓

  • **“見えない世界を明らかにする科学”**を仕事にできる。

  • フィールド×デスクのハイブリッドで飽きない毎日。

  • 国家資格・学会発表・論文など、努力が可視化されるキャリア。

  • 地域を守る誇り:自分の出した1枚の断面図が、30年の安心をつくる。


10|現場の“ほっこり”エピソード(短編)😊

造成地の地すべりが心配という自治会からの相談。踏査と斜面安定解析の結果、表層すべり対策の植生・排水計画を提案。後日の集会で、年配の方が

「数字で説明してもらって、初めて**“安心して暮らせる根拠”**ができました」
と握手してくれた。データが人の不安をほどく瞬間に立ち会えるのは、この仕事の醍醐味です。


11|“そのまま使える”提案トーク例 🗣️

「調査は費用ではなくリスク削減への投資です。
ボーリング+表面波のハイブリッドで“見落とし”を減らし、
基礎形式と改良量を最適化して、工期とコストを同時に抑えます。
成果は3Dモデルと図解で説明し、住民説明まで伴走します。」


12|まとめ ✨

ニーズは「防災・長寿命化・再エネ・合意形成・サステナビリティ」。
やりがいは「見えない地盤を見える化」「地域の安全に直結」「プロジェクト成功の起点」「専門性が資産になるキャリア」。

今日できる一歩は――

  • 提案書にA/B比較とLCC視点を必ず入れる、

  • 成果品の図解テンプレを刷新する、

  • 調査データを座標付きでDB化する。

小さな改善の積み重ねが、選ばれ続ける理由になり、チームの誇りと地域の安心を育てます🌱

 

諏訪地質工業のよもやま話~“変遷”~

皆さんこんにちは!

有限会社諏訪地質工業、更新担当の中西です!

 

~“変遷”~

 

1|地質調査は“縁の下の力持ち”

建物や道路、橋、ダム、地下鉄――これらが安全に機能するためには、地盤の特性を知ることが欠かせません。地質調査業は、普段は目立たないものの、社会インフラを支える重要な役割を果たしてきました。


2|黎明期(戦前〜昭和中期):経験と勘の時代 ⛏️

  • 調査の手法:簡易的なボーリング、踏査、露頭観察など。

  • 特徴:職人の経験と勘が中心で、データよりも“現場感覚”に依存。

  • 背景:戦後の復興やインフラ整備で需要は高まるものの、体系的な調査はまだ不十分。

この時代は、地質調査よりも「施工が先行」するケースが多く、地盤トラブルも頻発しました。


3|高度経済成長期(昭和40〜50年代):標準化と本格的普及 🚀

  • **スウェーデン式サウンディング(SWS試験)**が普及し、住宅地盤調査の定番に。

  • ボーリング調査も一般化し、土質試験(粒度・含水比・一軸圧縮強度など)が制度化。

  • 公共工事の拡大:高速道路、新幹線、ダム建設などで膨大な地質データが蓄積。

👉 この頃から地質調査業は「建設の出発点」としての位置づけを確立しました。


4|平成前期(1990〜2000年代):災害と規制強化の時代 🌪️

  • **阪神淡路大震災(1995)**で液状化や地盤リスクが大きな社会課題に。

  • 宅地造成等規制法、建築基準法の改正により、地盤調査の義務化や責任範囲が明確化。

  • 新しい調査法

    • PS検層(弾性波速度)

    • 表面波探査法

    • 電気探査
      → より多角的に“地盤の強さ”を可視化できるようになった。

この時代から、住宅業界でも「地盤保証」が一般化し、調査会社の役割はさらに重要に。


5|平成後期〜令和初期:技術革新とリスクマネジメント 📊

  • 3D地盤情報データベースの整備(地質情報統合データベース)。

  • GIS(地理情報システム)×地盤情報により、地域単位での地盤特性が把握可能に。

  • ドローン・レーザー測量の導入で、調査の効率化・可視化が進展。

  • 地盤リスクの社会的認知:熊本地震や各地の豪雨災害を経て、「建てる前に地盤を知る」意識が高まる。


6|現在(令和時代):防災・持続可能性の中核へ 🌱

  • 気候変動と豪雨災害により、土砂災害・斜面崩壊・液状化リスク調査の需要が拡大。

  • 再生可能エネルギー(風力発電・太陽光発電)の地盤調査も新たな市場に。

  • ICT・AIの活用:膨大な地盤データをAI解析し、最適な基礎設計やリスク予測に応用。

  • 国土強靭化計画:インフラ更新・防災事業の基礎情報として、調査業の存在感は増しています。


7|地質調査業の“これから” 🔮

  1. AIと自動化:ボーリングコア解析の自動判定、探査データのAI処理。

  2. 環境配慮型調査:CO₂削減・廃棄土処理を意識した持続可能な施工方法。

  3. リスク説明責任の強化:施主・住民に“わかりやすく伝える”力が求められる。

  4. 海外展開:日本の災害対応技術を活かした国際インフラプロジェクトへの貢献。


まとめ ✨

地質調査業は、

  • 戦後の経験と勘の時代を経て、

  • 高度経済成長で標準化し、

  • 震災で重要性を再認識され、

  • 令和の今、防災・再エネ・DXの中核として進化しています。

これからも「見えない地盤を見える化する」使命を持ち、社会を支えるインフラの礎であり続けるでしょう🌏🔧