月別アーカイブ: 2025年8月

諏訪地質工業のよもやま話~“見えないリスクを測る”~

皆さんこんにちは!

有限会社諏訪地質工業、更新担当の中西です!

 

~“見えないリスクを測る”~

 

斜面・堤防・道路・橋台・造成地。土のリスクは見えないところから来ます。私たちは物理探査+ボーリング+観測を組み合わせ、地震・豪雨・経年に強い意思決定資料を提供。施工に直結する提案まで一気通貫で伴走します。🚧


1|リスク別:最短ルートの調査設計 🎯

  • 地すべり/斜面:弾性波・電気探査→すべり面深度の推定→重点点でボーリング+孔内傾斜計/伸縮計

  • 液状化:ボーリング+SPT/CPT→FC・N値補正・細粒分→**Vs(PS/MASW)**で判定📉

  • 空洞/老朽化地中構造:地中レーダ・電磁・微動→疑義点を試掘/ボーリングで確認

  • 堤防/護岸:電気探査で浸透経路把握→ピエゾ計で間隙水圧監視


2|物理探査の“使いどころ” 🧲🔦

  • 弾性波(屈折/表面波:MASW):せん断波速度(Vs)→地盤の硬さを“面”で把握

  • 電気探査(2D/3D):比抵抗→水・粘土・空洞の見分け

  • 地中レーダ(GPR)浅部の配管・空洞・層境界

  • 微動アレイ/HVSRサイト増幅基盤深度の推定

物探は“地図”、ボーリングは“答え合わせ”。セットで精度が上がる🧩


3|観測で“状態”を管理する ⏱️📡

  • 孔内傾斜計:斜面/擁壁の微小変位を連続監視

  • 伸縮計・間隙水圧計(ピエゾ):地すべり・堤防のトリガ監視

  • 沈下板/GNSS/レーザー:地盤沈下・盛土の時間変化を可視化

  • 雨量/地下水連携閾値を超えたら自動通知(SMS/メール/ダッシュボード)📲


4|ドローン×3Dで“空と地中”をつなぐ 🚁🗺️

  • UAV測量(SfM)で地形変化を高頻度に把握

  • 点群×柱状図×物探断面統合モデルを共有(BIM/CIM対応)

  • 工事前後で盛土量/浸食量を定量化→出来形+健全度を一体管理


5|成果物は“意思決定に効く形”で 🧾✨

  • ハザードマップ風のリスク図(A3一枚で色分け)

  • 対策工の代替案比較(アンカー/排水/表層対策/改良/擁壁)

  • 施工ステップ図(工期・通行規制・夜間作業の有無)

  • モニタリング計画(センサー配置・閾値・連絡網)


6|対策工の初期提案(例)🛠️

  • 斜面:法枠+ロックボルト/集水ボーリング/表層すべり対策

  • 堤防:遮水シート・薬液注入・圧密排水・腹付け盛土

  • 液状化:表層改良・締固め砂杭・砕石基礎・地中連壁

  • 道路/造成:置換・プレロード・ドレーン・軽量盛土


7|入札・審査で差がつく“痒いところ” 🧮📑

  • 試験要領書(SPT/CPT/室内試験の条件明示)

  • 安全・環境計画(騒音・振動・泥水処理・近隣説明)

  • 品質計画(コア回収率・写真台帳・検査フロー)

  • DXF/SHPでのデータ納品、API連携で管理システムに自動反映


8|見積比較のポイント ✅

  • 物探のライン長×本数/解析方法(MASW・逆解析条件)

  • ボーリング位置・深度・本数の根拠

  • 観測計器分解能・記録間隔・通信方式

  • 報告の納品形態(紙+PDF+データ/可視化ダッシュボード)

  • 夜間・交通規制対応の記載有無🚧


9|よくある質問 ❓

Q. 調査と対策、どちらから頼めば?
A. 調査→暫定対策→本対策の順が基本。緊急時は同時並行で設計します。
Q. 期間は?
A. 規模次第ですが、予備調査1〜2週/本調査2〜6週/解析1〜2週が目安。
Q. 豪雨・地震の“その後”は?
A. **速報版(24–72h)**を先に、確報で設計に落とし込みます。⏱️


10|現地立会いチェックリスト 🧤✅

  • ☐ 物探ラインの位置・端点座標

  • ☐ ボーリング座標・GL・ケーシング長

  • ☐ サンプル保護・ラベリング・冷暗所保管

  • ☐ 地下水観測(設置・初期測定)

  • ☐ 近隣・交通の安全対策(看板・誘導員・清掃)


まとめ
“面で探し、点で確かめ、線で見守る”。物探×ボーリング×モニタリングの統合で、防災と維持管理は一段スマートになります。意思決定に効く一枚をご提供します。🛰️📈🤝

 

諏訪地質工業のよもやま話~“設計に効く”~

皆さんこんにちは!

有限会社諏訪地質工業、更新担当の中西です!

 

~“設計に効く”~

 

建物や土木構造物は、上に何を載せるかより下がどうなっているかで寿命が決まります。私たちは机上調査→現地踏査→試験計画→ボーリング/物探→解析→レポートまでをワンストップで実施。過不足のない調査伝わる報告書で、設計と工事のリスクを最小化します。️


1|最初の30%で勝負が決まる:机上調査と踏査

  • 地形・地歴:旧河道・盛土/切土・液状化履歴・地質図を重ねて“怪しい場所”を先読み

  • 既存資料:近隣ボーリング柱状図、公共台帳、航空写真、災害アーカイブ

  • 踏査:亀裂・湧水・沈下跡・舗装のひび、**表層の“語り”**を拾う

  • 初期仮説:想定層序・地下水位・リスク(軟弱/埋設物/膨潤)を白地図にメモ


2|試験計画の組み立て方(ムダなく・漏れなく)

  • 建築(戸建〜中低層)

    • スウェーデン式サウンディング(SWS) or 簡易貫入 → 必要部位のみボーリング

    • 代表位置で標準貫入試験(SPT)乱さない試料(シンウォール/Shelby)

  • 中大規模・土木

    • ボーリング+PS検層/MASWで**Vs(せん断波速度)**を取得

    • 地下水観測孔を残し季節変動を追う

  • 物理探査:地中レーダ・電気探査・磁気で埋設物/空洞をスクリーニング

  • サンプリング:コア回収率(RQD)・乱れ区分・保護方法を現場で記録

原則:**「軽い→重い」**の順に。簡易→確認→精査でコスト最適化。


3|代表的な現場試験と読み方 ⛏️

  • SPT(N値):相対密度/一軸強度の目安。支持層の判定杭先端深さに直結

  • CPT/CPTu:貫入抵抗・間隙水圧→層境界の連続把握に強い

  • 平板載荷:表層改良の実効確認、直接基礎の変形係数推定

  • 透水試験(Lugeon/現場透水)地下水処理・止水工の前提

  • PS検層/MASWVs30で耐震区分、地震時応答解析へ


4|室内試験で“数値の根拠”をつくる

  • 粒度・Atterberg限界:土の“性格付け”

  • 圧密:沈下量/速度の予測(Cv, Cc)

  • 三軸(CU/CD/UU):設計せん断強度(c, φ)

  • 間隙比・含水比・密度:改良前後の比較指標

  • 有機物・硫酸塩化学的リスクの早期検知⚗️


5|報告書の“見る順番”と要点✨

  1. 概要図(位置・ボーリング配置・地形)

  2. 柱状図(層序・N値・地下水位・RQD)

  3. 試験成績(室内/現場)

  4. 設計値(許容地耐力/変形係数/せん断強度/液状化判定)

  5. 提案(基礎形式・改良工法・監視項目)

N値“だけ”で判断しない層の連続性・地下水・試験の質をセットで確認。


6|基礎と改良のファーストビュー ⚙️

  • 直接基礎:浅層良好地盤・不同沈下に注意

  • 表層改良/柱状改良/砕石パイル/小口径鋼管杭沈下・液状化・施工制約で使い分け

  • 仮設:山留・止水・湧水対策を工程・コストに反映


7|見積比較のチェックリスト ✅

  • 調査本数/深度試験項目(室内/現場)

  • 物探の有無(埋設物・空洞・旧基礎確認)

  • コア回収率・サンプル固定方法

  • 地下水観測(観測回数・季節補正)

  • 報告書の体裁(DXF柱状図/解析データ/写真台帳)

  • 近隣配慮(騒音・泥水処理・夜間)


8|よくあるNGと回避策 →✅

  • 孔壁崩壊→泥水比重/ケーシング不足→安定液管理+段階ケーシング

  • 試料の乱れ→採取器・回収手順の不適→乱さない試料の指定

  • 地下水見落とし→一回観測のみ→複数時点+降雨後観測

  • 報告が不親切→数値だけ→**設計への翻訳(基礎案・沈下算定)**を必ず併記


9|スケジュール例(戸建〜小規模)⏱️

  • D0〜3:机上調査・踏査・計画

  • D4〜6:現場試験(SWS+要所ボーリング)

  • D7〜14:室内試験・解析

  • D15:報告・設計打合せ(基礎/改良の初期案)


10|お問い合わせテンプレ(あると早い)

  • 計画図(柱/壁配置・荷重目安)/敷地図

  • 近隣の既往調査(あれば)/工期・騒音制約

  • 既往トラブル(沈下・湧水・地震時被害 など)


まとめ
過不足ない計画×確かな採取×設計への“翻訳”。これが設計に効く地盤調査です。最初の一本から、成果の“質”を変えます。