皆さんこんにちは!
有限会社諏訪地質工業の更新担当の中西です!
~ヒアリング~
地質調査は、建築・土木・災害対策の根幹を支える非常に重要な業務です。しかし、その成果物の質は、現地に到達する前の「お客様とのヒアリング(要望確認)」によって大きく左右されます。
何のための調査か? どこをどう調べるのか? それを正確に掴むことが、調査精度・工程効率・コスト適正化のすべてに関わってきます。
目次
1. なぜヒアリングが重要なのか?
■ 調査の「目的」と「期待成果」を正確に把握するため
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建築用途?土留め設計?液状化リスク?
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どの層まで掘削する必要があるのか?
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N値、透水性、土壌汚染…求められるデータは何か?
→ 「とりあえずボーリング」といった曖昧な依頼では、不十分な調査報告書になる恐れも
■ 現場の状況と条件を事前に把握するため
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道路幅・重機の進入可否
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近隣住民への配慮の有無
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騒音や振動に対する懸念
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仮設電源・水源の有無
→ 施工不能・遅延・近隣トラブルを未然に防ぐには、現地視察とヒアリングがセットで不可欠
2. ヒアリングで確認すべき主な項目
項目 | 内容例 |
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調査目的 | 新築・増築・構造解析・土壌改良の基礎情報など |
必要データ | 地耐力、N値、土質、地下水位、土壌汚染など |
調査方法の希望 | ボーリング/スウェーデン式サウンディング/試掘など |
納期・工程 | 工事スケジュール、データ納品の希望時期 |
報告書の形式 | 書面・電子、図面添付、要約版希望など |
予算感・相談事項 | 許認可申請、補助金対応の可否など |
→ 聞き漏れが命取りに。業者側から能動的に項目提示する姿勢が信頼を生む。
3. 良いヒアリングがもたらす“3つの成果”
① 調査精度の向上
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目的に合ったサンプル位置・深度・方法が選べる
② 工程の効率化
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重機搬入、仮設計画が事前に整理され、スムーズな現場運営が可能
③ 顧客満足度・リピート率の向上
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「分かってくれている」という安心感がクレームを未然に防ぐ
4. ヒアリングの質を高めるための工夫
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ヒアリングシートの標準化
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施工前の現地写真を顧客と共有
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調査報告書のサンプル提示による期待値の明確化
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打ち合わせ内容を議事録・図面化して保管・同意確認
「よく聞く」が「よく調べる」を支える
地質調査の真価は、“調べたあと”ではなく、“調べる前の準備”で決まります。プロの調査員であるならば、技術力だけでなく、ヒアリング力こそが信頼される業者への第一歩です。